直木賞受賞作『何者』など数々の話題作を世に送り出してきた朝井リョウ氏。本作は、今年作家生活15周年を迎えた記念作品だ。テーマは、いわゆる“推し活”に端を発する「ファンダム経済」と、「壮年期以降の男性の男友達」問題。一見無関係の両者が深く繋がる構成になっており、発売から約1週間で発行部数10万部を突破する話題作となった。

朝井 リョウ
朝井 リョウ
1989年、岐阜県生まれ。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。『何者』で直木賞、『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞、『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞。ほかの著作に『スター』『生殖記』など多数。

レコード会社勤務の47歳・久保田慶彦。留学志望の女子大生・武藤澄香。非正規雇用で働く35歳・隅川絢子。3人の視点が交差する。

(インタビュー・文=鈴木俊之)
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