予想もしなかった参与就任要請

いま、私は韓国にいる。高市早苗首相に同行してアジア太平洋経済協力会議(APEC)へ向かうためだ。

以前の連載で、私は「新内閣が発足したら、今度こそ内閣官房参与の仕事を離れ、個人・飯島勲として新しい評論活動を始めたいと考えている」と書いた。私はこれまで高市首相と接点がほとんどなかったため、ふたたび参与に任命されることは100%ないと思っていたからだ。もしプレジデント誌のバックナンバーを持っている人がいたら確認してほしいのだが、この「リーダーの掟」でも高市首相に関する言及はほとんどなかったはずだ。同じ永田町にいながら、それだけ接点のない関係だったのである。

しかし10月21日、高市首相から私のもとに「内閣官房参与(特命担当)を引き受けてほしい」というオファーが届いたのだ。青天の霹靂だった。参与室の荷物もすべて片づけて、プレジデント誌の担当編集とも今後のことを話し合っていただけに、本当に驚いた。

考えてみると、私は参与として安倍晋三・菅義偉・岸田文雄・石破茂・高市早苗と5人の首相に仕えることになる。自分がどこまでやれるかはわからないが、オファーを引き受けた以上は精一杯特命参与としての仕事を全うするつもりだ。

それに、働いている方ならわかると思うが、誰かに「あなたの力が必要だ」と請われることはうれしいものだ。だから、私の持てる力すべてを使って高市首相を支えていきたいと思う。

具体的にどういった形で貢献できるかはまだ考えがまとまっていないが、大枠としては外交で力を尽くしていきたいと思っている。

私はこれまで、各国の要人とノービジネス・ノーマネーで友達付き合いをしてきた。

先日も、私の再任を知って「ロシアのアルミ王」と呼ばれる実業家のオレグ・デリパスカ氏がお祝いに来てくれた。デリパスカ氏は過去に北海道の洞爺湖サミットに出席したことがあり、当時の首相だった福田康夫氏に提案書を提出したこともある。また大変な親日家でもあり、たびたび日本を訪れてリフレッシュしているという。

ロシアだけでなく、ベトナムやトルコ、アフリカ諸国などにもプライベートな付き合いをしている要人が何人かおり、私の持つ人脈が問題解決の糸口になればいいと思っている。

そして、私のライフワークである拉致問題についても全力投球していきたい。私が小泉純一郎首相の首席秘書官としてかかわっていた2002年に5名の拉致被害者の方が帰国されてから、23年の月日が経った。離れ離れのまま、それだけの時間を過ごしている家族の方々の気持ちは察するに余りある。私個人としては、拉致被害者の家族の方々には複雑な思いがないとはいわないが、できる限りのことをしたいと思っている。

(撮影=伊藤詩織 写真=時事通信フォト)

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