食事術① ひとつの栄養素にこだわらない
タンパク質を意識して摂取するのは大前提
日本の食事は、主食を中心にした構成が基本で、炭水化物を摂りやすい環境にあります。とくにビジネスパーソンは、コンビニや外食を利用する機会が多く、手軽に食べられる丼物や弁当、おにぎりやパン、麺類などが選ばれやすくなっています。
その結果、エネルギーは十分足りていても、タンパク質や野菜が不足しがちです。近年はタンパク質の重要性が意識され「タンパク質が○g摂れる」と表示された商品が増えました。食事を通じて栄養のバランスを見直す動きが広がってきたのはよい傾向でしょう。
ブリガムアンドウィメンズ病院・ハーバード大学医学部講師。エブリワン・コホート代表。2013年、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)医学部卒業。同大学附属病院にて初期研修、土浦協同病院で循環器内科後期研修を修了。23年、ハーバード大学大学院博士課程修了。著書に『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』(東洋経済新報社)。写真=本人提供
とはいえ、タンパク質を意識して摂ることは大切ですが、「多ければ多いほど健康的だ」とは言えません。たしかに、運動をする場合、高タンパク食によって筋肉量が増えることは、研究で確認されています。ただし、こうした研究の多くは数週間から数カ月という短期間のもので、運動をやめたあとの影響までは検証されていません。
タンパク質を増やして筋肉が増える過程では、脂肪も増えることがあります。運動が続かず筋肉が落ちて脂肪だけが残るなら、誰にとっても「タンパク質をたくさん摂ることが健康にいい」とは言いきれません。
カロリーは、P(タンパク質:Protein)・F(脂質:Fat)・C(炭水化物:Carbohydrate)の三つの要素で構成されています。一日の摂取カロリーは、長期的にはその人ごとにほぼ一定に保たれています。もし大きく上回れば体重が増え、下回れば減ります。PFCのうちの一つを「増やす」ときには、必ず何かが「減る」ことになります。
たとえば、タンパク質を意識的に増やせば、炭水化物の比率が減って、食事全体のエネルギー配分が崩れるかもしれません。重要なのは、どれか一つを単独で「増やす」「減らす」のではなく、三つの栄養素を一つのセットとして見ることです。
一日の食事を朝、昼、晩の3回とすれば、1週間で21回の食事を摂ります。私はこの「21食」を単位に、自分の食事を見直すことを勧めています。1回ごとに何を食べたか、食べなかったかを気にするより、1週間の平均で食生活の傾向をつかむほうが現実的です。
食生活改善の効果は、数日では表れません。習慣で積み上がった結果こそが、将来の疾病リスクに影響するのです。
食事術② 1週間で7食の「朝食」の改善が重要
食材でよしあしを決めてはいけない理由
仕事が立て込み、会食や外食が続く週もあります。出張で日常とは違った食生活になることもあるでしょう。
日々の食事に揺らぎが生じることを前提に、週単位で調整するのです。21食の中で「どこを整えると全体がよくなるか」を見るのが要点です。
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