異動希望を全て叶える必要はない

なお、本人同意原則の導入は、本人の異動希望を必ず叶えるということを意味してはいない。企業側が提示した異動案は、本人が同意しない限り実行されない。しかし、本人側の異動希望に企業側が必ず従う必要はない。

社内公募にしても、公募先の職場が応募者の異動に同意(公募面接を合格させる)しなければ、異動は成立しない。つまり本人同意原則の導入とは、企業と個人が人事異動に関するお互いの意向をすり合わせていくことなのである。

企業と個人が意向をすり合わせる努力を、お互いに継続的に行うことは、無限定性を前提とした企業と正社員の相互期待である日本企業型パターナリズムを縮小させていくだろう。