「霊長類最強の男」と言われたロシアの英雄、アレクサンドル・カレリンの記録を抜いた前人未到の「世界13連覇」――。レスリング女子55キロ級・吉田沙保里のあまりに輝かしい偉業の達成に、私たち凡人は目が眩んでしまうが、吉田は決して完璧な人間ではない。

吉田沙保里さん

2002年、それまでずっと勝てなかった先輩・山本聖子を破った吉田は、一気にアジアチャンピオン、世界チャンピオンの座に上りつめた。そして、勢いそのままに04年アテネ五輪へ。本人曰く、「イケイケ」だった。

世界選手権2連覇を含め、国際大会16回連続優勝。外国人相手に70戦無敗の記録を引っさげ、怖いもの知らずの21歳は、あっさりと金メダルを獲得すると、さらに連勝街道を驀進した。