「霊長類最強の男」と言われたロシアの英雄、アレクサンドル・カレリンの記録を抜いた前人未到の「世界13連覇」――。レスリング女子55キロ級・吉田沙保里のあまりに輝かしい偉業の達成に、私たち凡人は目が眩んでしまうが、吉田は決して完璧な人間ではない。

吉田沙保里さん

2002年、それまでずっと勝てなかった先輩・山本聖子を破った吉田は、一気にアジアチャンピオン、世界チャンピオンの座に上りつめた。そして、勢いそのままに04年アテネ五輪へ。本人曰く、「イケイケ」だった。