なぜ平時では本質がわからないか

サイゼリヤ会長 正垣泰彦氏

「世の中の出来事は不連続なもので、“まさか”ということが現実に起きる。そんな窮地に立たされたときこそ、平時ではありえない次元の思考が生み出せるんです。むしろ物事の本質なんて、そんな非常時でもなければ、簡単に向き合えるものではないですよ」

レストランチェーン「サイゼリヤ」の創業者であり、代表取締役会長の正垣泰彦氏は、窮地のなかにこそチャンスを見出してきた経営者の1人だ。

いまでこそ全国に800以上の店舗を構え、徹底的な業務の効率化によって他業種からも“チェーンストアの手本”と見倣されているサイゼリヤだが、その前身は千葉県市川市にある1軒の小さな洋食屋だった。高度経済成長期真っ只中の1967年、まだ学生だった正垣氏はベテランシェフから調理技術を徹底的に叩き込まれ、「免許皆伝」を授かって同店を開業する。