特に理由はないのに単純ミスを繰り返し、物忘れが多くなる――。そんなパフォーマンスの低下に気づいたら、睡眠負債を疑ったほうがいい。もし自分がそれに陥ったら、どうすればいいのか。ズバリ教えましょう。

自覚することなく生産性が落ちていく

「徹夜すれば、翌日のパフォーマンスが下がることは誰でも実感するでしょう。睡眠負債の怖いところは、そういう自覚がないことが多い点。『睡眠のコントロールは完璧だ』という人が、実は“借金まみれ”というケースもあります」

そう説明するのは、脳神経科学者で早稲田大学研究戦略センター教授の枝川義邦氏。最適な睡眠時間には個人差があるものの、大多数の人は6.5時間から7.5時間の範囲内に収まるという。「平日はだいたい5時間の睡眠が通常パターン」という人が、本当は7時間の睡眠が適切という場合もある。そのマイナス2時間が日に日に蓄積されていくのが睡眠負債だ。しかも、ベッドに入っているのが5時間なら、本当に眠っている時間はさらに短くなる。

(文=Top Communication 写真=PIXTA)