積乱雲がすぐそばにある“サイン2つ”

続いて、天気の急変の直前に現れる雲や現象について紹介しましょう。

【棚雲】
棚雲
雄大積雲や積乱雲本体にくっついており、周囲と比べて底が低い雲。[出所=『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)]

積乱雲の下にできる雲で、壁のような姿で迫ってきます。この雲のすぐ背後に積乱雲があるため、見かけたら即避難する必要があります。

【雨柱】
雨柱
積乱雲の下の狭い範囲に降っている強い雨が見えているもの[出所=『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)]

積乱雲の下で激しく降る局地的な雨は、遠くから見ると、柱のように見えます。

そのほか、竜巻発生の直前に現れる「漏斗雲ろうとぐも」も危険を知らせてくれています。「雷鳴」が聞こえる場合は落雷の危険があります。このような雲や現象に出会ったら、安全な建物などに避難しましょう。

飛行機雲が残ると雨が降る…“言い伝え”の検証結果

積乱雲の観天望気以外にも、「山が笠をかぶると雨」「猫が顔を洗ったら雨」といった古くからの天気の言い伝えもあります。中にはあやしげなものもあったので、その根拠と信頼性を検証してみました。

【観天望気の信頼性】
◎=信頼できる
◯=けっこう信頼できる
△=あまり信頼できない
×=信頼できない
?=どちらともいえない
雲や空の観天望気

1.太陽や月の周りに光の輪(ハロ)がかかると雨→◯

意味と理由:低気圧や前線が西から近づいているとき、うす雲(巻層雲)が広がってから天気がくずれる。ハロが見えてからだんだん雲が厚くなれば、天気がくずれる可能性大。

荒木健太郎『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)
荒木健太郎『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)

2.山が笠をかぶると雨→◎

意味と理由:空気が湿っているときに山を越える気流で雲ができる。富士山の笠雲は日本海に低気圧があるときに発生しやすく、科学的根拠あり。

3.飛行機雲が残ると雨→◯

意味と理由:飛行機雲のできる高い空が湿っているため、西から天気がくずれる。上空が湿っているかどうかの目安になる。ただし必ずしも雨になるわけではない。

4.飛行機雲が消えると晴れ→◯

意味と理由:飛行機雲のできる高い空が乾燥しているため。上記と同じく上空の湿り具合の目安になる。確実ではないので天気予報を確認する。

「山が笠をかぶると雨」は富士山の笠雲(かさぐも)が有名。
「山が笠をかぶると雨」は富士山の笠雲(かさぐも)が有名。日本海に低気圧があるときに発生しやすいため、雨の前触れになる。[出所=『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)]

雲や空に関する観天望気は、科学的に信頼できるものが多いことがわかりました。雲の姿や状態、動きなどが上空の大気の状態や風の流れを反映しているため、天気の変化と結びつきやすいことが理由だと考えられます。

一方、生物の行動に関する観天望気は、どうでしょう。

生物の行動の観天望気
・アマガエルが鳴くと雨→×
・スズメが早朝からさえずると晴れ→×
・クモが巣を張れば雨が降らない→×
・トンビが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨→△
・ツバメが低く飛ぶと雨→×
・ネコが顔を洗うと雨→×
・アリの行列を見たら雨→×
・カマキリが高いところに卵を生んだ年は大雪→×

こちらは、科学的根拠が不十分でほぼ信頼できませんでした。

観天望気は、積乱雲の登場や、天気の崩れるサインとなる空模様の変化など、天気予報や気象情報と合わせて使うと効果的です。そして、常日頃から空を見ることや、気象情報を取ることが習慣になっていくと、それが自然と防災につながっていきます。ぜひ、楽しみながら空や雲を眺めてみてください。

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