本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年11月20日レター)

──人材の移動が激しいコンサルティング業界で、デロイトトーマツコンサルティングの役員を務めていた男性がEYストラテジー・アンド・コンサルティングへ転職した後、元部下4人を違法に引き抜いたとして、古巣の会社から損害賠償1億2000万円を請求された裁判が話題になりました。東京地裁の判決は、「単なる勧誘行為にとどまらず、社会的相当性を逸脱した背信的な引き抜き行為」と判断し、それに対して元役員は控訴。その後和解が成立したとのことです。引き抜き行為が日常茶飯事とも言われる中で、今後、この事件は他業界も含めてどんな影響を与えるのでしょうか。堀さんの見方を教えていただければと思います。

【堀】コンサルティング会社には2つの大きな財産があります。1つは人材。もう1つは「ナレッジマネジメント」と言われる蓄積された経験知です。ここにもう1つ付け加えるとすれば、社名のブランドも上げられるでしょう。「ナレッジマネジメント」は、過去のプロジェクトで得た経験知を整理し体系化したもので、経験の少ない人や若い人がこの経験知を参考にすれば、相応の成果をあげることが可能になります。

(構成=今井道子)