本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2023年11月6日レター)

──この10月、インドネシアに東南アジアの高速鉄道第一号が開通したというニュースがありました。施工は中国企業で、中国は「一帯一路」構想の下、鉄道建設事業を拡げているようです。中国経済が低迷する中、これらのプロジェクトはどうなるのでしょうか。堀さんの視点を教えてください。

【堀】じつは、インドネシアの首都ジャカルタとバンドンの間を走る全長142キロの高速鉄道をめぐっては、日本と中国の間で受注競争がありました。中国がインドネシアに全額融資し政府の債務保証も求めないという計画を提示して、2015年に中国が受注を獲得したといういきさつがあります。中国は巨大経済圏構想「一帯一路」を推し進めるために、採算を度外視してアジアの国々で鉄道建設に着手したのです。

(構成=今井道子)