「キレイに仕上げて」「いい感じにまとめて」はNG

【損】急ぎでやってほしい→【得】会議に間に合わせたいので15時までにできますか?

理由と具体的な目安を伝えましょう。その前提にあるのは、相手の不安や疑問をこちらが取り除くということです。なぜなら、人は言葉になっていない部分、言葉の裏をつい探ってしまうものだからです。

「楽に稼げる仕事があるよ」と言われたら、あなたは言葉の通り受け取るでしょうか。言葉の裏にある真実や意図を、ついつい勝手に推測してしまうのではないでしょうか。そう、言葉にしていないからこそ、悪い想像の余地が生まれてしまうのです。

相手に変な想像をさせてしまうのが曖昧ワード。実は、「急ぎで」といった時間系だけではありません。「キレイに仕上げて」「いい感じにまとめて」といった品質系もその代表格。「できる範囲で大丈夫」「もう少し広いターゲット向けに」といった加減系も要注意です。あなたの物差しと、相手の物差しは違います。明確にするだけで、相手へのポジティブなパスとなります。

さらに背景も伝えましょう。どうして急いでいるのかを言葉にすれば、相手はこちらの状況を想像することができます。社内打ち合わせのためなのか、それともお客様とお会いする正式な場に向けたものなのか。こうした背景が分かれば、相手にとってはどう動くべきなのかの目安ができます。

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鍵となるのは「受け取る側の視点」

【損】レポート期限を延長してください→【得】時間をいただければ、このレベルまで磨き込めます

相手にとってのポジティブな未来を見せる。これは特に、ネガティブに見えるお願いに有効なアプローチです。

「期限を延長してほしい」というお願いは、一見するとあなたにしかメリットがなさそうです。こういったタイプのお願いは、相手からすると自分本位に感じられやすく、負担だけが強く感じられてしまいやすいものなのです。

重要なのは、依頼する側の視点を補強することではありません。受け取る側の視点こそが鍵です。期限を延長することでどのような利益が生まれるのか? どんな未来を回避することができるのか? ここを具体的に示すと、自分本位だったお願いが両者にとってメリットのあるお願いへと変化するのです。

例えば、「時間をいただければ、このレベルまで磨き込めます」という伝え方なら、相手にとってのメリットにもなっています。これは、結果として相手がより高品質なレポートを受け取れることを約束しているからです。

ほんの少しだけ目線を工夫することで、相手にとってのメリットが伝わりやすくなります。特にビジネスの現場では、スピードはもちろん品質や成果物の完成度も重要視されます。相手の求めるものが時間と引き換えに手に入るのだと伝えましょう。