相手に好印象を与えるメールとはどのようなものか。日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんは「業務時間外に届いたメールにはすぐに返信しないほうがいい。遅い時間や休日に対応してもらうことに相手が慣れてしまうと、感謝の気持ちが薄れ、不満を持たれてしまうことすらある」という――。

※本稿は、平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

メール通知を確認しスマートフォンを操作するビジネスマン
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「遅い時間や休日にも働く=できる社会人」はウソ

絶対にしてはいけない「時間外労働」

若手社員の方に多い悩みの1つに「休日や終業時間後でも、メールが気になってしまう」というものがあります。

中には、見るだけでなく返信までしてしまう人もいるようです。

読者の皆さんの中にも、そういった方がいらっしゃるのではないでしょうか。

これを続けていると、あなたが確実に損をします。絶対にやめましょう。

誤った社会人像を持っていませんか?

例えば、終業時間後に届いたメールにすぐ返信をしたことで、仕事が滞りなく進んだとします。

相手は、あなたに感謝してくれることでしょう。

しかしこれが何回か続くと、相手はそのスピード感に慣れていきます。

「○○さんは、夜遅くに送ったメールもすぐに返事をしてくれる」
「○○さんは、土日もメールを見ている人だ」

こうした前提で、昼夜休日問わず、メールが送られてくるようになります。感謝の気持ちも、次第に薄れていくことでしょう。

「休日でも対応してくれてありがとう!」

「こっちは急いでるんだから、早くしてよ!」
「何で今回は対応してくれないの?」

ずるい人は、残業や休日出勤を除いて、業務時間外はメールの処理を一切しません。特別対応による自分への負担を想定しているからです。

「遅い時間や休日にも働く=できる社会人」ではないことを、しっかりと覚えておいてください。

休日のメール対応にも、ルールを作る

仮に休日にメールを見てしまったとしても、返信は次の勤務時間まで先送りしましょう。

ずるい人は、休日出勤中のメール処理について、次のような明確なルールを持っています。

ルール①
社内の人からのメールで急を要する内容なら、休日の勤務時間中に通常通り返信する

ルール②
社外の人からのメールなら、次の勤務時間中に返信する

こうした、しっかりとしたルールを自分の中で決めておけば「休日もメールが気になる」といった悩みはなくなるでしょう。