※本稿は、平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
ビジネスメールは「即レス」が原則だが…
素早い返信でみんながハッピーに
あなたは「返信が早い人」と「返信が遅い人」のどちらに好感を持ちますか。
一般的には「返信が早い人」と答える人が多いそうです。返信が遅いと仕事が止まりますが、返信が早いとその分、仕事が速く進みます。
メールの送り主からは、感謝されることでしょう。
ビジネスメールにスピード感は重要ですが、常にそうとは言い切れないのです。
即レスにもデメリットがある
メールを受信したら、その場ですぐに決める、間を空けずに対応する、すぐに返信する。
そうした行動は、自分にもメリットがあります。
・手元のタスクを減らせるためストレスフリーに
・返信し忘れるリスクを減らせる
ここまで読むと「ずるい人は、必ず即レスをしているんだな」と思うことでしょう。
しかし実は、即レスにもデメリットがあるのです。
・熟慮していないと誤解される
・メールを常にチェックしなければいけない
やはり、こうした返信の早さにも決まった正解がないのが、メールの難しいところです。
しかし裏を返せば、決まった正解がないからこそ、使い方次第ではメールが強力な武器になる、とも言えます。
心配はいりません。コツさえつかめば、あなたもすぐにメールを使いこなせます。
仕事がデキる人は「わざとメールの返信を遅らせる」
効果的に、メールの返信を遅らせる
もちろんずるい人は、原則、即レスです。
しかし、即レスによって逆効果になる場合は、あえて翌日に持ち越すこともあります。
メールの返信を意図的に遅らせて、コミュニケーションのペースをコントロールするのです。
例えば、依頼メールを送った数秒後に「お断りします」と返信が来たら、どう思いますか。
「ちゃんと読んだのかな」
「検討してくれたのかな」
人によってはその事務的で機械的な対応に気分を害するかもしれません。
このように、難しい案件に対する相談メールや断りメールを送る場合、即レスをすることで「熟慮していない」という印象を与えてしまう可能性があります。
「じっくり考えて悩んだ」という姿勢を見せたいなら、1日くらい寝かした方がよいこともあるのです。
相手の立場になって、メールのペースを考えよう
短時間にメールのラリーが続くときや、相手の感情にも気を配って対応すべきときは、メールのペースをコントロールした方がいいでしょう。
ただ、一概に「断りメールの返事は遅らせた方がよい」というわけでもありません。
例えば、何らかのスピーチを依頼されて、必ず誰かがその役目を果たさなくてはいけないとき、断る返事を1日寝かせてしまったらどうでしょう。送り主は次の候補者を探すのに使える時間が減ってしまいます。
このような場合は、即レスして丁寧に断った方が相手のためにもなるのです。
メールを即レスするか否かは、メリット・デメリット、相手の置かれた状況などを加味して判断しましょう。
1.原則即レスだが例外あり
2.断りや難度の高いメールは1日寝かせる
3.常にどの対応が効果的かを考える