こんな「言い回し」では断られて当然
気遣いの気持ちで目的が見えにくくなる
メールで何かしてほしいことを伝えるとき、次のような言い回しをしていませんか。
「ご協力いただけませんでしょうか」
「ご確認いただけませんか」
相手に対する気遣いの気持ちから、こういった言い回しを使いたくなる気持ちは、よく分かります。
しかしこうした言い回しは、決定権を相手に与えてしまっている面もあるため、場合によってはそのパワーバランスを利用される可能性があります。
あなたにそんな意図がなくても「するか、しないかは、こちら次第」と勘違いした相手が、こちらの思った通りに動いてくれなければ、「何かをしてもらう」というメールの目的は達成できません。
相手を「動かす」言葉の使い方
相手に委ねた言い回しの背景には、相手への配慮があります。もちろん、心を配ることは大切です。人間関係に不可欠なことでもあります。
ただ、そのような相手任せのコミュニケーションで、本当に相手を動かせるでしょうか。
ずるい人は「相手に委ねるような言い回し」と「強い意志を込めた言い回し」を場面によって使い分けています。
・相手に任せてもいい場面
返信するかどうかを、相手が決める用件(自分に余裕があるとき、無理なお願いをするとき、など)
・相手に任せてはいけない場面
相手が返信しなければならない用件(自分が急いでいるとき、相手に非があるとき、主導権を握りたいときなど)
依頼メールの「三段階フレーズ」で相手を動かす
今すぐ使える! フレーズ集
相手に動いてほしいときは、場面に応じて言葉を変えます。それによってこちらの真剣さが伝わったり、切迫感を演出したりすることができます。
「緊急ですのでお急ぎください」と「お手すきの際にご返信ください」では、相手の受けとる印象が大きく異なります。
どの程度の圧をかけるか、三段階でフレーズを下にまとめました。依頼の場面で活用してください。
たった一言加えるだけで、効果的なメールに変わる
相手に委ねる、委ねない、強い意志を込める、どれが正解かは、時と場合によります。その都度、判断が必要です。
営業職ならば「お決めください」「ご決断ください」という言葉をベースに、次のような言葉を足して、調整するといいでしょう。
「早急にご決断いただけますようお願いいたします」
「可能な限り早く、お決めいただけますようお願い申し上げます」
1.配慮だけでは相手が動かないこともある
2.時と場合によって、言葉のバリエーションを使い分ける
3.決断を促すことは悪いことではない