海藻は健康に良いが、「食べすぎ」は厳禁

◎海藻類

海水のミネラルをたっぷりと取り込んだ海藻類は、人間にとっても貴重な栄養源です。海藻にもっとも特徴的なのはヨウ素(ヨード)が多く含まれることでしょう。ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料となるほか、免疫機能をサポートする重要なミネラルです。海産物に恵まれ、海藻を食べる習慣が根付いている日本人はよほど特殊な食生活をしていないかぎりヨウ素不足になることはありません。しかし、海産物を食べる機会の少ない海外の内陸国家では、ヨウ素の摂取不足による健康被害が深刻な問題となっている国もあります。

満尾正『名医の食卓』(アチーブメント出版)

海藻にはヨウ素のほかにも、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸、ビタミンD、ビタミンBも含まれます。また、フコイダン、ポルフィランなどと呼ばれるネバネバした成分は水溶性食物繊維で、腸内環境を整えるのに貢献します。水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になって膨らみ、食べ物を包み込むため、消化吸収がゆっくりになるのです。

さらに、海藻にはフロロタンニンと呼ばれる特有のポリフェノールも含まれていて、抗炎症作用や抗酸化作用についての研究が進められています。

栄養豊富な海藻ですが、いくら健康によくても食べすぎは禁物です。ヨウ素の含有量が多い昆布を毎日大量に食べ続けると、過剰摂取となり甲状腺機能が低下してしまうリスクがあります。過不足なく、上手に海の恵みを取り入れましょう。

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