会議の冒頭で2つのことを宣言する

雰囲気を良くするためにも司会はフレンドリーなほうがいいですが、必ずしも弁が立つ必要はありません。むしろ余計なことを言わず「型」に沿って淡々と進められる人のほうが向いています。決して難しくはありません。誰でもできます。

司会は冒頭で「今回は何を決める会議か」「何時までに終えるか」を宣言します。これによって参加者はスタート前にゴールを確認することができます。「売り上げを上げるにはどうしたらいいか」などテーマが壮大すぎて短時間で結論が出そうにないなら「新規客の成約率を80%以上に引き上げるには」のように対象や課題を細分化して、1回の会議で扱えるサイズにします。こうすれば会議が方向性を失ったり、予定を超えてダラダラと続くことはなくなるはずです。

参加者全員に発言を促す仕掛けとして最初にメモ用紙を配り、1分間で「この会議に期待すること」を書いてもらい、読み上げてもらうのも良いアイデアです。書いてある内容を読み上げるだけなので全員が何かしら発言しますし、前の発言者と内容が被っていても気になりません。

意見を潰しにかかる上司は会議を腐らす

そこからいよいよ本編に入るわけですが参加者から「意見や提案を聞くフェーズ」と、リーダーが「意思決定するフェーズ」は明確に分けてください。最悪なのは参加者が発言するそばから上司が「そりゃ違うな」「ダメだそんなの」「現実的じゃないなぁ」などと評価を下し、潰してしまうケースです。

組織が物事を決定する正規の手続きを踏んだにもかかわらずメンバーが納得しないのは、じつは決定に不服なのではなく会議の場で意見が「言えなかった」「聞いてもらえなかった」ことに起因する場合が多いのです。

意見や提案を聞くフェーズでは全員が言いたいことを言いきるのが理想ですが、即座にネガティブな反応をされては「他人と異なる提案はしないほうが無難だ」という後ろ向きの発想になってしまいます。

そこで、発言の冒頭には全員が「私が言うには」と前置きするのをお約束にしてはどうでしょう。