会議への参加理由は「上司に呼ばれたので」

皆さんの職場では週に何回会議が行われているでしょうか? 課題を解決するための意見やアイデアが活発に飛び交っていますか? サクサクと物事が決まりますか?

私は米国生まれの会議メソッド「すごい会議」の認定マネジメントコーチとして、14年間で180社を超える企業の会議に参加してきました。残念ながら、日本の多くの企業で行われている会議は“悲しみ”に溢れています。

何のために行われているかわからない定例会議、上司が一方的に喋るだけで提案も議論もなく静まり返る会議室。部下から意見が出ないと嘆く上司、発言したら即座に否定されて凹む部下、それを見てますます発言しづらくなる同僚たち。ダラダラと長引いたくせに何も決まらずに持ち越される課題の数々。

ポストイット
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経営会議、店長会議、スタッフ会議、ブレスト、チームミーティング、等々。経営のあれやこれやは、基本的には会議で決まっているはず。その会議が悲しみに溢れていては、課題解決に向けた一体感など醸成されようはずがありません。

会議とは「組織のOS」であり「経営のセンターピン」です。経営の質を高めたい、メンバーのやる気を促したい、チーム一丸となって進みたい、仕事を効率化したい、等々。こうした願いは、会議のあり方・進め方を見直すことで実現します。

この国は無駄な会議が多すぎる

では、具体的に何から手をつければいいでしょう? 会議をアップデートするノウハウは山ほどあって、とても本稿の紙幅で収まりきるものではありません。そこで今回はまず基本の考え方を紹介し、明日からでも導入できる「型」についてお話ししたいと思います。

根本的なところから言いますと、日本には無駄な会議が多すぎます。まず「何を決めるのか」が不確かで、参加者は「なぜ自分が参加しているのか」がわかっていない。そんな会議の、なんと多いことか。

試しに私が「あなたはなぜこの会議に参加しましたか」と聞いてみると、圧倒的に多い答えは「上司に呼ばれたので」というものです。部下は「上司が自分に伝えたいことがあるのだろう」と思っている。対して上司は「なぜ部下は積極的に発言しないんだ」と嘆いている――。会議で起きる悲しみのほとんどは、こうした「合意されていない期待」によって生じているのです。