料理の“めんどくさい手間”を解決してくれる
精肉売り場では、仕事で忙しい若者ファミリー向けに、「味付け肉シリーズ」を販売しています。
たとえば、「豚バラカルビ」は肉の旨ダレを染み込ませており、「豚肩ローススティック」はアヒージョ風ステーキとして味付けされており、「牛ハラミステーキ」はガーリック味で仕上げています。そのため、どの商品もそのままフライパンで焼くだけで食することができるようになっています。
鶏肉も、黒コショウ、旨辛ダレ、塩レモン、バジルソテーなど味付けのバリエーションが豊富で、冷凍してストックしておけるようになっています。
主婦にしてみれば、「そもそも何も味付けしなくて済む」「味付けのレシピをいちいちネットで調べなくても済む」ことになり、時間がなくても手軽に夕食の用意ができるので、顧客価値は高まることになります。
他方、ロピアでは、顧客の消費行動を捉えた導線づくりをすることでも、顧客価値を高めています。印西BIGHOP店(千葉県)では、顧客の消費行動を捉えた独自の売り方を確立しています。
「試食をレストラン形式で行う」という斬新さ
この店舗では、店内にステーキ専門のレストラン「THE BIFTEKI」を併設しています。店頭には、冷蔵のショーケースが設置されており、そこには大量の牛肉パックが陳列されています。顧客が、そのショーケースから気に入った部位の肉を選んで店員に渡すと、焼かれた肉が皿に盛りつけられて提供される仕組みになっています。
パック詰めにされた肉は、リブロースやザブトン、イチボなど、国産牛の希少部位が揃っており、どの部位の肉を選んでもスモール(約200g)の場合は一律800円で提供されているため、パックには価格が表示されていません。
国産牛の提供を基本としていますが、米国産の牛肉をラージサイズで提供することもあり、たとえば、米国産の最高級と呼ばれるブラックアンガス肩ロースを600g、2000円で「ビフテキラージ」として提供しています。
このレストランはロピア精肉部が運営しており、その日に売り場に並んだ牛肉とまったく同じ牛肉が食べられるようになっています。店内では、顧客の回転率を速くするために、立食形式を採用しています。
「試食をレストラン形式で行う」というこの発想が功を奏し、試食で美味しさを実感した顧客は、レストランの隣にある売り場で同じ部位の肉を購入して帰るという消費行動をとることになります。この導線に導かれて店頭では顧客の長い行列が常態化しているのがその証左でもあります。