剣道の世界一を決める大会が3年に1度のペースで行われている。1970年の第1回大会では17カ国だった出場国が、今年の第19回大会では61カ国に増え、海外で人気が広がっている。なぜ外国人は剣道に魅入られるのか。ライターの佐藤まり子さんが取材した――。
世界剣道選手権大会、開会式の様子。61カ国の代表選手が並んだ
筆者撮影
世界剣道選手権大会、開会式の様子。61カ国の代表選手が並んだ

102人の「外国人剣士」にアンケート

2024年7月4日から7日まで、イタリア・ミラノにて第19回世界剣道選手権大会が開催された。

今回は、男子242名、女子203名がエントリー、参加国は61カ国と過去最高だった。日本では、少子化の影響などから剣道人口が減少しているが、世界では増加傾向だ。

今回、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アメリカ大陸、アフリカ大陸など29カ国102名の剣士たちのアンケート回答をもとに、なぜ剣道を始め、続け、どんな魅力を感じているのかをまとめた。

なお、アンケートは自由記述形式。今回の世界大会に出場した選手を中心に回答してもらった。

『ワンピース』の剣豪ゾロに感化

剣道を始めた理由 第3位:日本のアニメや映画、サムライへの憧れ

剣道を始めた理由として多いのが、日本のアニメや映画、サムライ文化への憧れだ。名前が挙がったのは『るろうに剣心』『BLEACH』『ONE PIECE』など。

日本のサブカルチャーだけではなく、「剣」や「剣道着・防具」への憧れもあるようだ。

日本の映画やアニメをたくさん観ていて、特に剣の戦いがあるものが大好きでした。両親の友人が剣道を始め、とてもかっこよく見えたので、自分も挑戦してみることにしました。(チェコ共和国、20代、四段)

私は剣を使った戦いのファンで、日本文化に特別な感情を持っていました。興味を持ったきっかけは、主にアニメやサムライ映画です。(チリ共和国、30代、五段)

日本のアニメ(『るろうに剣心』や『BLEACH』など)が大好きで、剣道をしていた友人が勧めてくれました。(イギリス、40代、四段)

『ワンピース』をたくさん観て、ゾロに感化されたからです。(オーストリア、10代、一級)

小さい頃からサムライの哲学が大好きで、武道や剣にも魅了されていました。パンデミックの間、人生の中で非常に困難な時期を経験し、幸運なことにコロンビアに剣道の道場があることを発見しました。それが私の人生を変えることとなり、人間として成長する手助けとなりました。(コロンビア、30代、二級)

チェコ代表選手たち。世界大会(ミラノ)へは自国から車で山を越えて向かった
写真提供=チェコ代表選手
チェコ代表選手たち。世界大会(ミラノ)へは自国から車で山を越えて向かった