電車内で折りたたまず、駅に降りて電動走行

まずは写真1を見ていただきたいのだが、ついにこんな人が現れるようになった。JR山手線などが乗り入れる都内某駅のできごとである。

【写真1】JRのホームを電動キックボードで走る男性
筆者提供
【写真1】JRのホームを電動キックボードで走る男性

見ての通り、電動キックでホームを疾走している。

うーん、信じがたいが、事実だ。というより「いつかは現れると思っていたのがついに現れた」というほうが正しいかもしれない。

これ、じつは私の知り合いのジャーナリストQ氏が送ってくれた写真で、この男性は混雑する山手線の車内に、電動キックボードを折りたたまずに持ち込んでいたのだという。車内で「せめて折りたたんだらどうだろう」と注意したら、「うるせえ!」と怒号を浴びせられたそうだ。

【写真2】本人は座席に座り、混雑した車内でも電動キックボードを折りたたまなかった
筆者提供
【写真2】混雑した車内でも電動キックボードを折りたたまなかった

その後、偶然同じ駅で降りたら、ホームを電動走行し始めた。そこを撮影したら「ナニ撮ってんだ! おまえ!」と右腕を強く掴まれたという。

【写真3】駅に降りてすぐに電動キックに乗る男性
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【写真3】駅に降りてすぐに電動キックに乗る男性。都心の混雑車両でこういうことを平気でする神経が不思議

「ならば、やめなさい」と反論したQ氏の腕には、この男の爪痕(文字通りの爪痕)がハッキリと残った。「痛かったですよ」とのこと。いやはやQさん、無事でよかった。その勇気に感服仕りました。

ナンバープレートが付いたLUUPはマシ

しかし東京の街を見てても思うけれど、電動キックが増えた。

LUUPのようなシェアものもあるが、今回のようなタイプの、ネット直輸入系もある。

この2種類を比較すると、じつは安全性に大きな差があるのだ。

街中で最も目立つのがLUUPで、利用者によってはすごいスピードで歩道を走ったり、逆走したり、2人乗りだったりで、けっこう無法っぷりも目立つのだが、じつはマシンそのものとしてはルールを守ってる。

【写真4】2人乗りLUUP
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【写真4】2人乗りのカップルが青山通りを往く

20km/h以上は出ないし、歩道モード(6km/h以上出ないモード)も備えている。ちゃんとナンバープレートが付いているのがこの手合いだ。要するに「特例特定小型原動機付自転車」として登録され、税金を払い、自賠責にも入ってる。