無保険で「車道も歩道もOK」は許されない
一方、今回の男性が乗ってたものには、よく見るとナンバープレートが付いてない。これ、何かというとネットで買った無登録電動キックなわけだ。
いわゆる「野良電動キック」。
最初からナンバープレートなんて付けるつもりがないんで、最高時速もパワーもデタラメに高かったりする。ネットの宣伝文句を見ると「ワガママに走ろう」「車道も歩道もOK」などと書いてある。アホかと。
道交法改正(2023年7月)で「特例特定小型原動機付自転車」の定義ができたときから、電動キックボード、電動キックスケーター、電動サイクル(サドル付き電動キックのこと)ほか、この手の電動モビリティは「公道を走るなら税金を払って、自賠責に入ってナンバープレートを付けて」乗らなくてはならなくなった。
そうしていない「野良電動キック」は、公道走行自体が道交法違反なのだ。
以前はそのあたり曖昧だったのが、昨年7月に明確化されたというわけ。
電車のホーム走行は「常識的に論外」
では、この電動キックで電車のホームを走れるのかどうか。
JR東日本の規定ではこうだ。
「キックボードにつきましては、動力の有無にかかわらず通常の手回り品の範囲に含まれます。ただし他のお客さまにご迷惑をおかけするおそれがある場合や列車が大変混雑している場合などは、お持込みをお断りする場合があります。また、袋などに収納いただくなど周りのお客さまへのご配慮をお願いいたします」。
このあたり、自転車の「輪行」(自転車を分解あるいは折りたたんで列車に載せること)と扱いは同じだ。
では、ホームを走るのはどうかと筆者が個人的に聞いてみたところ「電動キックと限定した規定はありませんが、他のお客様に迷惑のかかる行為になりますから基本的に禁止です。というより常識的に考えて論外です」とのこと。
このあたりも自転車と同じで、ホームを自転車で走るようなヤツはいない。当然だろう。