まずは30分早く起こすことから始めよう

――今までそういう生活をしていなかった家庭で、早寝早起きの習慣を付けるにはどうしたらいいのでしょうか。「今日から保育園から帰ったらすぐ寝ようね」みたいなことは可能なのでしょうか。

夜早く寝かせることから始めるのはやめた方がいいです。習慣がついてない子供だとすごく嫌がるし、親もイライラしてしまいます。

まず最初は朝、いつもよりも30分なり1時間なり早く起こすところから始めましょう。怒鳴ったり叩いたりして起こすのではなく、子供が大好きな動画とか食べ物とか音楽とかを全部用意しておいて、楽しく起こすのがコツですね。

小さい子だったら抱っこして、「ママと一緒にちょっとお日様浴びに行こうか」とか声をかけてベランダに出てみましょう。お日様を浴びながら好きな音楽を聞かせるのもいいでしょう。とにかく親が「朝はすごく楽しいぞ」というのを演出してあげるのです。

あと大事なのが、昼寝が長くなりすぎないように保育園にお願いしておくことです。初めは睡眠時間がいつもより短いので、3時間ぐらい昼寝しかねません。そうすると夜眠くならず、いつまでたっても早寝早起きの習慣がつきません。保育園には「すみませんが今日のお昼寝は1時間程度で終わらせて、あとは頑張って起こしておいてください」とお願いしましょう。

そして家に帰ったら、夕食は納豆ご飯か何かでちゃちゃっと済ませます。ご飯を食べ終わった頃には、子供はすごく眠くなっているはずなので、親も一緒に寝てしまいましょう。最初は安定しないと思いますが、3日ぐらい続けるとだいぶ変わってきて、1週間ぐらいで定着します。

成田奈緒子『子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する』(PHP研究所)

早寝早起きをし、たっぷりと睡眠を取る重要性は、小児科医なら全員知っていることなんです。小児科の教科書にちゃんと書いてありますから。

教科書には「5歳の子には11時間寝かさなければならない」と書いてあります。夜7時に寝て朝6時に起きれば11時間睡眠で教科書通りになりますが、それは日本のお子さんたちには難しいでしょう。私が子育てをしていた時も、保育園に預けながら、忙しい仕事をしながら11時間寝かせるのは無理だと思いました。だから、そんな無理をしろとは皆さんにも言いません。8時に寝かしつけて、6時に起こす。10時間の睡眠を5歳で目指す。これで大丈夫です。もちろん、6時とか7時に寝かせることのできるお家があるんだったら、それはそれでいいんですよ。

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