問題を抱える子に共通する睡眠不足

――親が悩んでいることの原因の多くは、元をたどれば睡眠のリズム、つまり「からだの脳」がちゃんと育っていないことにある、ということでしょうか。

私が主宰している親子支援事業の「子育て科学アクシス」には、いろんな問題を抱えたお子さんたちが来られますが、私たちがまず聞くのは睡眠の状況です。するとほとんど全てのお子さんが何らかの睡眠の問題を抱えています。それも時間的な意味での睡眠不足だけではなくて、質の低下といった問題がある場合がほとんどなのです。

ベッドでスマートフォンを使用する女の子
写真=iStock.com/Hakase_
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睡眠を整えると問題が消えていく

――文部科学省によれば、2022年度の不登校の小中学生は約30万人と過去最多を記録し、前年度比で22%増という急増ぶりです。また、同じく2022年の文科省のデータでは、小中学校の児童・生徒のうち、発達障害の可能性のある子供の割合は8.8%で、こちらも10年前と比べて2.2ポイント増えています。

「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)という本にも書いたのですが、これほど急激に増えるというのは理にかなわないと思っています。

アクシスにはいわゆる発達障害とか不登校も含め、何らかの問題を抱えて相談に来る方が多いのですが、睡眠の改善、つまり「からだの脳」を作り変えるように生活を整えていただくと、けっこう多くの問題が消えていくんです。

勉強の問題や心の問題、問題行動や起立性調節障害という自律神経の不調など、お子さんが抱えている問題はさまざまなのですが、睡眠を整えるとその辺りがきれいに消えていく例が多いのです。