みんな「話す」という行為を誤解している

このような特徴を理解すると、世の中は「話す」という行為への誤解であふれていることに気がつきます。

もっとも多いのは、「自分が話したことは全部相手に記憶してもらえている」という思い込みです。

音声として流れ、時間とともに消えてなくなる情報を、聞き手が一字一句覚えているわけがありません。

「話したことを全部覚えてもらっている」という思い込み

にもかかわらず、話す側は自分の話した一字一句がすべてきれいに覚えられていると思いがちです。そうして、次々に言いたいことを言い足してしまう人がいるのです。

これが、話し手が情報量を詰め込みすぎて冗長な話になり、聞き手がなにも記憶できなくなる、といった事態を引き起こす理由となっています。

話し手はなにを話したか覚えていても、聞き手側はなにを聞いたか覚えていないのはよくあることです。

まずは、1対1だろうと、1対複数だろうと、自分が話した情報が「すべて相手の記憶に残っていると思わないこと」が重要になります。