「反岸田」の流れを作るのはだれか
今の自民党には、政局の流れを作るシナリオライターが不在だが、麻生太郎副総裁か、もしくは、党から処分される前に次期衆議院選挙への不出馬を表明した二階俊博元幹事長が、GNPと略される二階氏独特の政治手法、「義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)」攻勢で、「反岸田」の流れを作るかもしれないと注視している。
すでに、公明党の山口那津男代表や石井啓一幹事長らは、しきりに「秋の総裁選以降の衆議院解散」を説いている。この背景には、公明党や支持母体である創価学会のお家事情もあるだろうが、「(岸田首相に代わる)新たな総裁で選挙を戦ったほうが有利」との思惑も働いている。
岸田首相としては、4月中旬の訪米と6月からの定額減税で政権浮揚を狙うほかないが、俳人・松尾芭蕉の句になぞらえて言えば、「何しても首筋寒し秋の風」になりそうだ。