放送作家として経験した「最後の奇跡」

【鈴木】最近、僕はバラエティー番組の企画として、(ヒップホップグループの)BAD HOPに1週間で1000万円使わせるという企画(https://abema.tv/video/title/90-1910)を手がけていました。

メンバーの中の数名がギャンブルのために韓国に行って40分で300万円すってしまうんですが、絶対に増やして帰ってくるからもう1回韓国に行きたいと言った時に、その資金として僕が自腹で100万円渡しました。途中、2日間音信不通になったんですが、結果的にその100万円を1000万円にして帰ってきたんです。

僕が放送作家を辞めるのって、こうした「奇跡」を信じられなくなったからなんですよ。ずっと一緒に仕事をしてきたSMAPは、1%の奇跡を信じた企画を作ると、高い確率でミラクルを起こしてくれたのですが、彼らが解散して以降、奇跡はなかなか起こらないことに気づいて、それを信じた番組作りができなくなったんです。でも最後にこうやって奇跡を信じさせてもらえたことで、「これで辞められる」と思いました。

撮影=プレジデントオンライン編集部
ラジオやコラムなどの仕事は続けるとともに、これからは「若い人を応援する」という

ロケ終了後に、彼らが僕と最後に写真撮影したいというので待っていると、1時間待たされたんですが、戻ってきた彼らがロレックスの時計をプレゼントしてくれました。そんなことも、スターらしくてカッコよくて、嬉しかったですね。

伝説を残す人は自分の信念で走っている。強い信念を持ち続けた先に優しさってあるんだと思いました。だから僕も辞める時に、自分が強く思うことを全うした先に出てくるものを人にあげたい。それが優しさなのかなと思っています。

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