残りの人生の大半を“消化試合”と考えていないか

あの輝いている有名人も、恵まれているように見えるお隣さんも、もちろん私も、誰もが皆、人生でたくさんの失敗をし、たくさんの競争に負け、「思いが叶わない経験」をいっぱいしながら、年齢を重ねていかなければならないのです。「いろいろな負け」を味わうことを大前提に、皆、この世に生まれてきているのですね。

それでも、いくばくかの夢を叶えることができた人は、ある程度の満足感を覚えながら、今日を迎えているでしょう。

逆に、ほとんど夢は叶わなかったし、仕事も引退し、今さら若いときの夢を追いかける気力もない、という人にとっては、残りの人生の大半はただひたすら“消化試合”をこなし、やがて訪れる死を待つだけのつまらないものに思えるかもしれません。

でも、そうした局面でこそ持つべきなのが、「夢」なのです。

特別な才能や若いころのような体力なんてなくても、それでも現実的な新しい夢を持つことで、心も肉体も若返らせることが可能になります。そう、これからの人生を希望や生きがいに満ちた充実した日々に変えていくことは、可能なのです。

「夢と希望」こそが、私たちを若返らせる。

それは科学的・医学的なアプローチから見ても、確実に断言できることです。

本書を通して、あなたに、その重要な真実を知っていただきたいのです。

昔抱いたような大きな夢でなくても、小さな夢一つで、大逆転を果たすことになるかもしれません!

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マッカーサーが絶望に負けないために最後までやったこと

「夢と希望」が私たちを若返らせるという、医学的・科学的にもいえる真実を知っていただくために、改めて、次のマッカーサー元帥の言葉を見てください。

「理想を放棄すれば、人は老いる」

マッカーサー元帥といえば、日本が太平洋戦争で無条件降伏したあと、連合国軍最高司令官総司令部、いわゆるGHQの最高司令官として占領下の日本を統治した人物です。歴史上の評価はさまざまですが、大変に優秀な軍人であったことは確かであり、私は非常に尊敬している人物です。

けれども、彼の事績がよく知られているのは、最高司令官を解任されて日本を去った1951年の時点まででしょう。解任の理由は、1950年に勃発した朝鮮戦争の国連軍総指揮官としてのマッカーサーが、朝鮮戦争での原爆使用をめぐってトルーマン大統領と意見が対立したことによります(マッカーサーが原爆使用を進言)。

彼はGHQ最高司令官の任を解かれて帰国し、その退任演説であの有名な、

「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」

という言葉を残しました。

でもマッカーサーは、日本を去ったあと、「ただ消え去る」どころか、その後の人生を、足搔きに足搔き続け、自分をクビにした大統領に反旗を翻し、一時は大統領選の対抗馬にまでなります。

結局、彼の夢は成就しなかったのですが、コンピューター会社の会長になったり、国賓としてフィリピンに招かれたり、日本のオリンピックへの復帰に関与したりと、生涯にわたり、アメリカで存在感を示し続けました。