「白バラ牛乳」は鳥取県外でも買える
鳥取県内で搾られた生乳は『白バラ牛乳』という商品として出荷されている。私も現地でその牛乳を飲んでみた。特徴的なコクがあるのにすっきりとした味わいだ。ちなみに『白バラ牛乳』は県外でも購入でき、東京の量販店に並ぶ『白バラ牛乳』を飲んでも、この印象は変わらなかった。
白バラ牛乳製造メーカーの今井瑞季氏は「鳥取県の酪農家のみなさんは『おいしい牛乳を飲んでもらいたい』という意識が高いと感じる」と説明する。
「暑さに弱い牛のために夏場は扇風機をまわしてあげたり、自家製の餌を与えたり、できるだけ牛がストレスのない環境で過ごせるようにも心がけています。牛を想い、飲んでくださる方を想って日々の作業に取り組んでいるんですよ。それが牛群検定の高い実施率にも表れているのかもしれません。健康診断の結果が悪ければ、獣医を派遣して対策を練ります」
牛乳の商品名に「牛の健康診断受診率ベスト10」にランクインしている県名やその県が含まれる地域名があれば飲んでみてもいいだろう。地域によっては「県産生乳100%で製造された牛乳」と県が認定している牛乳もある。ランキングのうち5県は九州地方だ。南九州の自然の中で育った牛の生乳として親しまれている『デーリィ牛乳』も、他の地方でも入手できる。
魚を選ぶように「産地の近さ」で選ぶといい
また牛乳は、牛が快適かつ健康的に過ごせているかどうかと同様に、その鮮度も大切。だからランキング外であっても、できるだけ自分が住む地域に近いところが商品名に記載されている牛乳を選ぶのも一案。小山氏も「産地限定牛乳」という選択肢を提案する。
「魚や肉と同じように、牛乳も鮮度が命。乳を搾ってから時間が経つほど酸化が進みます。酸化したものを取り入れれば、その何割かは体の酸化にも影響し、老けることにつながるでしょう。酪農家さんは全都道府県にいますから、地元の直売所などでお住まいの地域密着の牛乳を飲んでみるのもお勧めです」
東京で買うなら、例えば『東京牛乳』(商品名)の鮮度が高いということだ。名が知られていない乳業会社でも、作り手を信頼できる牛乳が近くにあれば、あとは鮮度を重視すればいい。
また牛乳には熱に弱いビタミンCが含まれていないため、温めても栄養素が減ったり吸収が悪くなるようなことはない。殺菌方法によっても栄養素に違いが出ることはない。ただし生卵がゆで卵に変わるように、加熱殺菌によって牛乳に含まれるタンパク質が変性するため、殺菌方法によって風味が変わる。フレッシュで、お気に入りの味を見つけたい。