朝、昼、放課後の必要な時間帯に通うことができる

筆者が「学童保育に、子育てを支えられた」と感じる最大の理由は、サービス時間の長さと継続性にある。

フランスの自治体による学童保育は、平日に学校構内で行われる「学校周辺時間サービス(Service périscolaire)」と、土日を除く休日に学校もしくは専用施設で行われる「学校外サービス(Service extrascolaire)」の2種類。平日と休日で時間割が異なるが、平日でも1日4時間以上、休日は朝から夕方まで、児童を受け入れている。

前者は一般に「預かり所(Garderie)」と呼ばれる。稼働時間は自治体によって異なるが、筆者の居住地では、7時半から8時半の授業前・11時半から13時半の給食と昼休み・16時半から18時半の放課後のうち、必要な時間帯にだけ通うことができた。たとえば親の仕事が早朝シフトのため朝の学童に来る子が、放課後は学童を利用せず親の帰宅した家に帰る、というパターンもある。朝・昼・放課後とフルパッケージで利用する場合、学校のクラスでよりも長い時間を、学童保育で過ごす子もいる。

後者の休日学童は「余暇センター(Centre de loisir)」の呼称で知られ、朝7時半~9時から夕方17時~19時まで、昼食とおやつ込みで終日、子どもたちに居場所と活動、見守りを与えてくれる(こちらも稼働時間は自治体によって異なる)。

写真=iStock.com/Richard Villalonundefined undefined
※写真はイメージです

親、先生と並んで日常的に見守ってくれるスタッフ

そして平日・休日どちらのサービスも、自治体雇用のスタッフたちが、通年ほぼ固定のメンバーで担っている。平日は学校構内で活動し、授業の合間の昼休み・給食を教員チームから引き継いで指導するので、学童保育チームは、クラス担任の教師たちとも連携し合う。子の学校生活に何か不安や困り事があると、ケースによっては教員ではなく学童保育チームが、親を迎えて面談を行うこともある。

子どもにとっては、親・先生と並んで、日常的に見守る大人たち。教師にとっては、生徒たちの学校生活指導を分担できる職員。親にとっては、勉強以外の子の成長を、継続的に見てくれる人々。それが学童保育のスタッフなのだ。

そして子を学童保育に通わせている時、筆者が驚いたのが、滞在中の活動内容の多彩さだった。

平日は時間が短いこともあり、活動の幅は限られるが、それでも通い飽きない工夫がされている。小学校入学前は休息と遊びをメインとし、小学校からは宿題支援に加え、チェスやカードゲームなど集団でのゲームや芸術(お絵かき、ビーズ細工など)、スポーツ(サッカーなど)を、時間の許す範囲で行う。