お金の不安を解消するにはどうしたらいいか。エグゼクティブコーチの安藤真由美さんは「将来必要な額がわかっていて、資金繰りできるなら不安にならない。まずは家計簿をつけて、キャッシュフローを把握することが大切だ」という――。

※本稿は、安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)の一部を再編集したものです。

貯金箱を手に持ち親指を立てる人
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お金の不安が生じる理由

「今の収入で将来も暮らしていけるのかな」
「(同期や友人など)まわりと比べて、自分は大丈夫なのかな」

多くの方がお金に関して漠然とした不安を抱えています。

私のところにも相談がたくさん寄せられます。相談者は無職の方から年収数千万円以上の方まで、さまざまです。何億円もの資産をお持ちの方もいます。

収入や資産の水準と関係なく、お金の不安が生じているのです。

ここでの不安は、「将来いくら必要で、それまでにいくら準備できるか分からないこと」です。不安になって当然ですよね。

つまり、お金の問題はお金がないことではありません。将来が分からないから不安になるのです。お金が足りなくなったときのことを想像して不安になるのです。

これに、自分は金融リテラシーが少ないからと余計に不安になっている可能性もあります。日本の教育では長らく金融リテラシーを身につける機会を提供してこなかった(第1回参照)のですから、分からなくて当然です。

私たちは、知っていたら得したかもしれない多くの機会を、教えてもらえないまま逃してきました。

それでも日々の暮らしは続きます。自分なりに一所懸命生きても、分からないままでは将来に向けて適切に備えることはできません。目の前にあるものをとりあえず手にとる行為は、運任せのギャンブラーのような生きかたになってしまいます。

人生100年時代、遅すぎることはありません。残りの人生をより充実したものにするために、今日から学んでいきましょう。