都道府県ランキングの根強い人気
毎年秋になると、ブランド総合研究所が発表する都道府県魅力度ランキングの最下位争いが話題になる。今年の結果を見ると、1位が北海道、2位が京都府、3位が沖縄県、47位が佐賀県となっていた。
しかし、都道府県魅力度ランキングはブランド総合研究所からだけではなく、複数の会社から発表されている。
リクルートのじゃらんリサーチセンターも、じゃらん観光国内宿泊旅行調査【都道府県魅力度ランキング編】を発表しており、総合満足度1位は鹿児島県、2位は愛媛県、3位は石川県となっている(総合順位は10位まで発表)。
大東建託賃貸未来研究所から発表されている、筆者が企画・設計・分析を行っている「街の住みここちランキング特別集計 街の魅力度ランキング2024〈都道府県版〉」では、1位が福岡県、2位が神奈川県、3位が東京都だ。40位まで発表されているが最下位は発表しておらず、いつも話題になる茨城県は37位、佐賀県は38位であり、最下位争いをしているわけではない。
ランキングごとに作成方法が異なる
これらのランキングは、それぞれランキングの作成方法が違う。ブランド総合研究所のランキングは、それぞれの都道府県について「どの程度魅力的に思うか」について「とても魅力的」から「まったく魅力的でない」の5段階評価のうち、「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、そのほかの回答を0点とする、少し変わった評価方法になっていて、回答者数は約3万人(47都道府県で割ると約638人)である。
じゃらんは、有効回答数が1万5520件(47都道府県で割ると約330件)と記載されており、複数の設問の回答から総合順位を出しているが、参考として掲載されている「今後行きたい旅行先ランキング」では、1位が北海道、2位が沖縄県、3位が京都府となっており、ブランド総合研究所のランキングと顔ぶれが一致している。
一方、「街の住みここちランキング特別集計 街の魅力度ランキング2024〈都道府県版〉」は回答者数が18万3727人(47都道府県で割ると約3900人)と非常に多く、ランキング自体も居住者評価の12項目、非居住者評価の18項目の合計30項目を組み合わせてランキングを作成している。
今回は、このランキングで1位となった福岡県について、その理由と背景を考えてみたい。