「バレなければいいだけ」

結婚後も桜木さんは、妻に嘘をつきながらギャンブルを続けていた。それでも借金はせず、小遣いの範囲内で楽しんでいた……その頃までは。

結婚から1年3カ月後、第1子が生まれた。桜木さんは、お風呂に入れたり、ミルクを与えたりなど、時間が許す限り育児に関わった。だが、よきパパの顔とは別に裏の顔を持つ桜木さん。妻に嘘を突き通して続けていたギャンブルは再び、借金してまでやるようになっていた。

「僕は、20代前半の頃にいわゆるブラックリスト状態になっていて、しばらくクレジットカードを作れなかったのですが、29歳になってすぐの頃に、あるクレジットカードの審査にだけは通ったのが再借金の始まりでした。約束を破るときは、『バレなければいいだけ』と安易な気持ちでした」

妻の育児をサポートする時間も夫婦として重要だ。

「平日は残業と嘘をついて仕事終わりにパチンコに行っていました。土日は、インターネット投票で競馬をやっていたので、スマホがあればどこでも馬券を買えました」

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土日は子どもをベビーカーに乗せ、近場にある大きな公園やショッピングセンター行くことが多かったが、その傍らで競馬をしていたわけだ。やがて桜木さんの借金はどんどん膨らんでいった。

「督促状や電話が来る前に、自分から金融会社に連絡して、妻にバレないように必死に対策していました。借金に関する郵送物はすべて届かないように設定し、財布は絶対に見られないよう、妻の目のつくところには出しっぱなしにしませんでした。疑いの目を向けられたときは、ひたすら嘘を重ねてやり過ごしました」

気付けば桜木さんは31歳。借金は300万円に上り、妻は第2子を妊娠していた。