ケンタッキーという最強の敵
1杯5元(96円)という激安ドリンクで2万店舗以上を展開する蜜雪氷城(ミーシュエ)のサブブランド「幸運珈」(ラッキーカップ)が、915店舗(22年7月末時点)と地方都市で勢力を伸ばしつつある。
最も安いラテは5元で、客単価は8元(154円)と、10元(193円)を切る。価格面ではラッキンも太刀打ちができない。
さらに中国で9000店舗を展開し、すでに地方都市にまで浸透しているケンタッキーフライドチキン(KFC)も強い。
ほぼ全店で「KFC TO GO」なるテイクアウト専用窓口を設けている。ここでSOE(Single Origin Espresso)という単一品種によるエスプレッソを、9.9元(191円)で提供し始めている。
つまり、地方都市でのコーヒーの相場は10元を切り始めている。スターバックスがこの価格帯に太刀打ちをするのは難しいばかりでなく、ラッキンも相当に苦労をすることになりそうだ。
ラッキンは斬新な戦略で、大都市ではスターバックスに勝ちながら、地方都市ではKFCに負けるという事態になりかねない。中国のカフェ市場を誰が制することになるのか、まったく予想がつかない状況になっている。