中国でスタバより店舗が多いカフェチェーン
中国でNo.1のカフェチェーンをご存じだろうか。
売り上げ1位はスターバックスだ。1999年に中国に上陸し、6090店舗(2022年末)を展開している。北京や上海などの大都市では、東京や大阪よりも高密度に出店されている印象がある。ちなみに、日本でのスターバックスの店舗数は1792店(2022年末)だ。
では、店舗数1位はどこか。2019年までスターバックスが首位だったが、現在は「瑞幸珈琲」(ラッキンコーヒー。以下ラッキン)で、8214店舗(2022年末)を中国全土で出店している。
ラッキンは配車サービスを手がける神州優車の元COO、ジェニー・チエン(銭治亜)が2017年に設立した。1年目に2000店を開店、そして2年目には中国でのスターバックスの店舗数を抜いた。さらに、創業3年足らずの2019年5月には、米ナスダック上場を果たしている。
ジェニー・チエンは「上場後、3年から5年は戦略的な赤字を出し続ける」と公言して拡大戦略を維持した。2020年には、不正会計による上場廃止やコロナ禍という逆風が吹いたものの、2022年には黒字に戻し、再び勢いが出てきている。
スタバがライバル視
ラッキンの店舗のほとんどが、客席のないスタンド店だ。それゆえ、出店しやすいということはある。現在は、売り上げ面でもスターバックスに迫りつつある。
2022年の10~12月期の中国におけるスターバックスの営業収入は6.22億ドル(約808.6億円、レートは当時)で、ラッキンは5.36億ドル(696.8億円)だった。中国のスターバックスはコロナ禍以降売り上げが下降気味であることから、店舗数でも売上高でもラッキンが上回るかもしれない。
スターバックスは、昨年「2025ビジョン」を掲げた。彼らは、2025年までに中国300都市で9000店の体制にすることを宣言した。これは、スターバックスがラッキンから中国No.1のコーヒーチェーンの座を奪還するための作戦だと見られている。