紅茶を「特別な飲み物」から「日常の飲み物」へ

飲用シーンを広げることで、紅茶を「特別な飲み物」から「日常の飲み物」へとシフトさせる。

紅茶市場の裾野が広がるなか、紅茶花伝が目指すのは「気軽に手に取ってもらえる存在」だ。

具体的なアプローチとしては、店頭のポスターやTwitterの投稿で紅茶花伝のアレンジレシピを提案し、いろいろな紅茶花伝の楽しみ方を訴求するプロモーションを行ったそうだ。

また、2021年8月には人気音楽グループ「BTS」のキャラクター「TinyTAN(タイニータン)」とコラボキャンペーンも実施し、新規ユーザーの獲得にもつながった。

筆者撮影
中長期的にはシーズナル限定の商品を投入することも検討したいという。ただ、田中さんは「全カテゴリーのラインナップがそろった今、次にやるのはライフスタイルに合わせた飲用シーンの想起だ」と話す

「TinyTANとコラボした施策は、紅茶花伝を4本購入するとストラップやタンブラーなどが当たるキャンペーンにしたのですが、Twitterのトレンド入りするほどの話題となり、大きな手応えをつかむことができました。特にWeb CMから店頭へ誘引する流れを作れたので、今後もデジタルとリアルをうまく組み合わせながら訴求できるように創意工夫していきたいと考えています」

無糖ストレートティーを市場に根付かせる

2022年は紅茶花伝にとってもブランド30周年を迎える節目の年だ。

さらなる飛躍に向けて、どのような展望を抱いているのか。

最後に田中さんへ聞いた。

「紅茶花伝の30周年に合わせ、ブランドを盛り上げられるようにさまざまな仕掛けを作っていく予定です。ブランドの歴史は長いですが、手軽においしく飲める上質な紅茶ブランドとして、もっとファンを増やしたいと考えています。昨年、無糖ストレートティーを発売したことで、全ての紅茶カテゴリーのラインナップが出そろいました。

無糖ストレートティーをもっと市場に根付かせていきながら、多彩な味わいがそろうことで生まれる相乗効果やブランド力を生かし、総合力で勝負していきたいと思います」

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