ブランドに統一感を持たせ、一貫したアプローチを強化

新ブランド戦略は主に3つの軸がある。

1つ目はブランドロゴやパッケージデザインの刷新により、紅茶花伝全体の統一感を強化したことだ。

「紅茶花伝」の新しいブランドロゴの特徴
画像提供=日本コカ・コーラ

これまで行ってきた商品ごとに最適化したアプローチをするのではなく、ブランド全体の価値や魅力を集約化して消費者とコミュニケーションを図ることで、紅茶花伝のブランドロイヤルティーを高める意図があるという。

「基幹商品のロイヤルミルクティーや多彩なフレーバーを持つクラフティーなど、ブランドとしては好調を維持していますが、あらためてブランド全体の成長を考えたとき、単一の商品ではなく『総合的な紅茶ブランド』として発展させていく必要があります。一貫性を持たせたブランドコミュニケーションをしていくことで、紅茶花伝の持つ多彩な味わいを飲用シーンに応じて選んでもらえやすくなり、さらなる成長が見込めると考えています」

無糖ストレートティー市場にはポテンシャルがある

2つ目は、多様な飲用ニーズに応えるためのラインナップの拡充だ。

紅茶花伝は上質な味わいを楽しめるロイヤルミルクティー、ピーチやオレンジなどのフルーツと紅茶を掛け合わせ、新しい飲み方を提案するクラフティーなど、時代に合わせてフレーバーを広げてきた。

2021年3月に無糖ストレートティーを発売した経緯について、「無糖ストレートティー市場の将来的なポテンシャルと、紅茶本来の味わいや香りをダイレクトに実感いただけることが決め手になった」と田中さんは話す。

「紅茶飲料市場が拡大するなか、特に活性化しているのが無糖ストレートティーです。多くの消費者に支持される理由のひとつは、茶葉本来の香りや味わい、すっきりとした後味を楽しめることが挙げられます。また、コロナ禍で紅茶を飲む機会が増えたのも追い風になっていて、無糖紅茶市場も2018年からの3年間で年平均18%増(インテージSRI調べ)と、無糖ストレートティーの需要が確実に増えているのです。こうした状況を踏まえ、紅茶花伝としても無糖紅茶市場へ参入し、新たな需要喚起をしていきたいと考え、無糖ストレートティーをラインナップに加えました」