発売以来の主力商品は「ロイヤルミルクティー」
コカ・コーラ「紅茶花伝」は1992年に誕生した商品だ。以来、「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー(以下、ロイヤルミルクティー)」を主力に、ロングセラーブランドへと成長した。
紅茶花伝の王道商品といえばロイヤルミルクティーだろう。
1995年に発売以来、紅茶とミルクのバランスが織りなすぜいたくな味わいが好評を博し、老若男女問わず親しまれてきた。発売25年目を迎える2019年にはパッケージ、味とともにフルリニューアルを敢行し、より上品な、すっきりとした後味を楽しめる商品へと改良した。
その結果、主力ターゲットの10〜20代のみならず、全世代における購入率が上昇し、飲用者数の増加につながったという。
また、2018年には“紅茶に果汁をたっぷり注ぐ”をコンセプトにした「紅茶花伝 クラフティー」を発売したことで、国内フルーツティー市場の活性化に大きく貢献する結果となった。
クラフティーシリーズの累計出荷本数は3億9000万本を突破し(2021年12月末時点)、2021年10月には新たなフレーバーとなる「紅茶花伝 クラフティー 贅沢しぼりレモンティー」を市場へ投入したことで、紅茶ブランド全体の伸長に寄与したのである。
そんな紅茶花伝は、次なるステージへとブランドを成長させるべく、2021年3月には新たにブランド戦略を強化。「手軽に楽しめる、上質で多彩な紅茶の味わいを通じて、お客様の生活に彩りを与え、日常にちょっとした豊かさを感じてほしい」との想いから紅茶花伝ブランドとしての統一感を強め、新たなラインナップとして無糖紅茶「紅茶花伝 無糖ストレートティー(以下、無糖ストレートティー)」を発売した。
家庭内の紅茶消費量は増加傾向
無糖ストレートティーの発売は、紅茶花伝を「本格的で上質な紅茶ブランド」へと進化させ、今まで以上に愛されるブランドとして昇華させるのに必要不可欠なものになっているという。
田中さんは、「紅茶の価値が再発見されている」とし、新戦略を展開した理由についてこう語った。
「紅茶はリフレッシュニーズに適した飲料として、近年注目されているカテゴリーです。2019年は、RTD(ふたを開けてすぐにそのまま飲める飲料)の紅茶飲料市場が拡大し、購入者数はもちろん、紅茶飲料を購入する頻度なども増えており、既存のリーフティーやティーバッグとともに家庭内の紅茶消費量が増加傾向にあります。それはコロナ禍でも堅調に推移していて、紅茶花伝は2020年と比べて2桁近い成長を遂げているのです。
興味深いのは、紅茶飲料の中でブランドスイッチが起こっているのではなく、他の飲料カテゴリーからも流入してきていること。ライフスタイルが一変し、飲用オケージョンも多様化するなか、紅茶飲料としてもさまざまなシーンに応え、日常のちょっとした気分転換に紅茶を手にとっていただけるよう、新たなブランド戦略を打ち出しました」