日本人と外国人では好みの経営スタイルが異なる

日本人投資家は、自己資本比率が高くリスクの低い経営スタイルを好み、外国人投資家は、高ROEでリスクをとった資本効率の高い経営スタイルを好みます。

例えば、ソフトバンクグループ(9984)のような極端なレバレッジ(ROE)経営をしている場合は、リスク度も高くなりますが、高ROEを指向している成長株は、外国人投資家の嗜好に近い経営スタイルを取っていると言えるでしょう。

では、なぜROEが重要なのでしょうか? それは、ROEの高い企業ほど成長力が高いからです。

町のお弁当屋さんを例に説明しましょう。

ある町に店を構えるA店とB店の2つのお弁当屋さんは、それぞれ200円の弁当を仕入れて400円で売っているとします。

A店は20万円の資本金を元手に、1000個の弁当を仕入れて販売しています。一つ200円ですから1000個だと元手いっぱいまで使って仕入れることになります。全部売れると、売上は40万円で利益は20万円です(単純化するため経費などは除きます)。

一方、B店もA店と同様に20万円の資本金を元手に、こちらはA店の2倍、2000個の弁当を仕入れて販売しています。資本金の2倍の仕入れ金額になるので、仕入れに際しては、借金や後払いで行っています。こちらは全部売れると売上は80万円で利益は40万円です。

A店とB店は、どちらも元手は同じ20万円ですが、弁当がすべて売れれば、B店の利益はA店の2倍になります。

写真=iStock.com/Astalor
※写真はイメージです

ROEが高い企業はハイリスクハイリターン

B店は借金や売れ残りのリスクは大きいですが、その分、ビジネスとしての儲けは大きいわけです。

これを、ROEを使って説明すると、

●A店は元手20万円、利益20万円でROE100%
●B店は元手20万円、利益40万円でROE200%

となります。もちろん、実際のROEは諸経費を引き算するのでもっと低くなります。

では、あなたが投資家だったとしたら、A店、B店どちらの弁当屋さんに投資したいですか?

B店のほうが利益やROEが高くなりますが、元手以上の仕入れをしていて、新型コロナショックのような想定外の出来事に弱いというリスクも考えないといけません。