問題意識がある人ほど謙虚である

「あるべき姿」と「現状」とのギャップのことを問題と呼ぶ。

そしてこのギャップを正しく捉え、解決していこうとする姿勢が人を謙虚にさせる。だから問題意識というのは大事なのだ。しかし「あるべき姿」や「現状」を正しく認識していない人は、問題意識が希薄だ。謙虚になることができない。

極端にいえば「目標を達成できなくてもあたりまえ」「期限を守らなくてもあたりまえ」「言われたことを率先してやらなくてもあたりまえ」という現状でも問題ではない、と捉えている。

常に目標を達成する人は、常に「あるべき姿」というものを正しく認識している。だから常にそのギャップを埋めようと、自然に体が動くのだ。問題を解決しようと行動する。創意工夫を続ける。

写真=iStock.com/taa22
※写真はイメージです

つまり絶対達成する人は、「絶対達成するノウハウ」をもっているのではなく、ギャップを埋めようとする行動と工夫の数々が膨大だということだ。

だからこそ絶対達成する人ほど「謙虚」であり、「感謝の気持ち」をもつのは自然なこと。

このカラクリがわからないと、他者から見たらいつも目標を達成する人はものすごくモチベーションが高い人のように思えるだろう。

しかし本人にとっては「あるべき姿」とのギャップを解消しようとしているだけだから、それをやって「あたりまえ」だと捉えている。モチベーションに左右されることなく、淡々と行動できる理由はここにある。

目標達成に向かっている人は、「無理しなくてもいいよ」「あまり頑張りすぎないで」と助言されても、抑制することなどできない。

朝9時に出社するのがあたりまえなのに、「毎日決められた通り9時に出社するなんて偉いね。でも、そんなに無理しなくてもいいよ。できないときだってあるんだから」などと指摘されているようなものだからだ。

そんなことを言われたら誰でも混乱する。「あたりまえ」のことができない自分が恥ずかしい、と受け止めているからだ。

1億円増の目標でもストレスフリーで達成できる

会社から1億円の目標を達成してくれと言われているのに、9000万円しかできない人は、「自分には9000万円ぐらいしか達成できない。あたりまえだ」と受け止めている。

一方、どのようにやったらいいかわからなくても、1億円の目標を絶対達成してくれと言われ、それが「あたりまえ」だと受け止める人は、モチベーションなど関係なく、それに向かって行動する。創意工夫し続ける。

目標を達成できるかどうかはわからない。ただ「あたりまえ」だと受け止めている事柄に対し、自然と頭と体を働かせるのである。1億円の目標を達成し、それが2億円になったとしても、思考プログラムは同じだ。

「東京から名古屋に行くことはできたが、大阪に行くなんてムリだ!」などと受け止める人はいない。それと同じことで、過去のやり方を捨て、時間通りに大阪へ到着するにはどうすればいいか逆算して考えるだけである。そこにストレスはかからないし、モチベーションも必要がない。

この思考のクセができあがれば、あとは「あたりまえの基準」を上げていけばストレスフリーで、絶対達成への階段を上っていくことになる。

2億円の目標を達成できたら、次は5億円。次は10億円……と引き上げていけばいい。そのためにはどのようなリソースが必要なのか、逆算して考えるようになる。人を雇い、設備に投資し、仕組みをつくって、対処するようになれば、どんどん「あたりまえの基準」は高くなっていくだろう。

このように、絶対達成する人は「あるべき姿」を明確にし、それを「あたりまえ」だと口にする。この言葉の使い方が脳を勘違いさせ、気が付いたら驚くべき結果をたぐり寄せている。その一点が、普通の人と異なる。

関連記事
「私はチームを束ねた」社内公募に何度応募してもお呼びがかからない人の"面接回答"
日本企業が世界で戦うためには「働かないオジサン」を真っ先に切り捨てるべきだ
「若手ほど次々に辞めていく」憧れの職場だった鉄道会社が、斜陽産業の筆頭になりつつあるワケ
「成長できる職場がいい」そう言ってコンサル業界に行きたがる東大生の"甘い本音"
「私はいいけど、部長はどうかな」ボンヤリとダメ出しをする人に効く"必殺フレーズ"