「あなたは論理的か、感覚的か、どちらだと思いますか」。そう聞くと多くの人は「どちらかといえば論理的」と回答する。しかし、「その根拠はなんですか?」と問いを重ねると答えられない。経営コラムニストの横山信弘さんは「何かを結論付ける前に、いったん立ち止まって考える。そして根拠を探そうとする。そういう思考のクセを身につける必要がある」という――。

※本稿は、横山信弘『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

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自分のことを「論理的だ」と感覚的に言う人たち

「横山さんはどうやって、そのように論理的に物事を考えられるようになったんですか」

横山信弘『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(PHP研究所)
横山信弘『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(PHP研究所)

と、尋ねられることがある。私が何かを主張する際、必ずそのための根拠をあらゆる面から集めてきて提示するからかもしれない。

たとえば、「やる気が出ないときは、どうすればいいのか」と質問されたら、「やる気を出すためには、やるしかありません」

と私は主張する。そのための根拠はこうだ。

手足を動かし、脳の「側坐核」という部位に刺激を与えると「側坐核」が活性化され、神経伝達物質・ドーパミンが分泌される。ドーパミンが分泌されれば、やろうとする気持ちがだんだんと湧き上がってくるものである。

つまり、何かをやる前に「やる気」という感情は存在せず、何かをやった後にしか「やる気」という感情は生まれない。だから、やる気を出すためにはやるしかないのである。

東京大学の脳科学者、池谷裕二教授の「そもそもやる気という言葉は、やる気のない人間によって創作された虚構である。だから、やる気を出すための方法を考えることほど無駄なことはない」という言葉も添えてこの根拠を説明すれば、誰も反論できないだろう。

何を主張するにしても、「なぜそうなのか?」「なぜそうする必要があるのか?」を考えるクセが私にはある。そのため、客観的に見たら私は論理思考力が高そうに見えるかもしれない。

しかし、残念ながらその点における自己評価はとても低い。なぜなら、今でも論理思考力をアップするための講座を受講したり、その手の書籍をずっと読んで勉強しているからだ。

しかも情けないことにロジカルシンキング系の書籍を1回読んだだけでは、私はすぐに理解できないことが多い。同僚のコンサルタントに説明してもらわないと、文脈を理解できないこともある。だから、「横山さんってロジカルですね」と言われると強い違和感を覚える。

野球選手にたとえれば、草野球のレベルだろう。

私がすごく驚かされるのは、自分を「論理的だ」と捉えている人が非常に多いということだ。