※本稿は、横山信弘『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
本来の意味もわからず「モチベーション」を連発するビジネスパーソンたち
私は、15年以上、企業の現場で目標を「絶対達成」させるコンサルティングをしている。その企業数は200社以上。関わった人々はのべ5000人に上る(講演や研修、セミナー、教材などを含めれば、1万社以上、10万人は超える)。
目標を達成できない企業に「絶対達成」の文化を定着させることが仕事である。だから、どのようにすればクライアント企業の方々に新たな行動を起こしてもらえるかを、いつも考えている。
どのような戦略を立てるべきか。どのような行動計画をつくるべきか。どのようにお客様と接触し続けるか。考えること、手や足を動かすこと、たくさん新しいことをやってもらわなければならない。
しかもスピーディにやる必要がある。なぜなら外部環境の変化は激しく、どんなに仮説を立てても結果は予想した通りにはならない。これまでの仕事のリズム、自分なりのペースでやっていては間に合わないことも多い。
だが、仕事のリズムやペースを崩されると、多くの人々が反発する。特に一定の経験がある社員はそうだ。その際に出てくる用語が、まさにモチベーションなのである。
「こんなやり方だとモチベーションが下がる」
「最近、部下のモチベーションが下がっている。もっとモチベーションを上げる取り組みをしなければならない」
と、組織のあちこちでそのように言う人が出てくる。
しかし、前述した通り、モチベーションという用語を使っている人の大半は、その意味を正確に理解していない。そのため、私たちは「部下のモチベーションをどう上げたらいいのか」などといった悩みには付き合わない。
このようなケースにおいては、「意欲」や「心の動き」など人の行動を変化させる動機付けとしてのモチベーションは関係がないからだ。