「現実の14%」が「ネット上の46%」の意見を作る
さて、まず、このような憲法改正について、「非常に賛成である」~「絶対に反対である」の選択肢を用意し、回答者の意見分布を集める。選択肢には「どちらかといえば賛成である」なども用意し、7段階に細かく分け答えられるようにしている。これは、「聞かれたから答えている」という受動的な意見の発信であり、声を発さない人も含めた社会の意見分布といっていいだろう。
続けて、同じ回答者について、ツイッターやフェイスブックなどの、不特定多数に発信できるSNSに、それぞれの意見の持ち主が憲法改正という話題について投稿した回数を調査し、人数と掛け合わせることによってSNS上の意見分布も調査する。これはSNSで発信した回数なので、能動的な意見の発信だけで構成される。
この2つを描いたものが図表2である。この図を見ると、驚くべきことが分かる。なんと、最も人数が少なかったはずの両極端な意見であるが、ネット上での投稿された総回数では1位、2位となっているのだ。
具体的に言うと、「非常に賛成である」「絶対に反対である」という人は社会には7%ずつしかいないのに対し、ネット上では29%と17%の意見を占める。合計すると46%と、約半分の意見を「少数の極端な人」が占めているのだ。まさに、社会の意見分布と異なる谷型の意見分布となってしまっている。