ですが、極端に低カロリーの食事は体重の減少につながるため、逆に体の抵抗力を奪いかねません。生活習慣が原因の病気でない限り、好きなものを食べるほうが、気力が湧くという意味で、よほど体にいいような気がします。
ちなみに私の叔父は、過去に胃がんになり、胃の3分の1を切除した経験があるにもかかわらず、毎日、唐揚げやチャーハンなど、不健康そうな食事を楽しんでいます。術後からすでに10年以上経っていますが、再発する気配もなく、未だに元気に暮らしています。
あと、大事なのは病後に行う運動でしょうか。これまでスポーツ選手や日常的にスポーツをやっていた重病患者を何人も見てきましたが、彼らの大半は退院後に運動を再開します。そして総じて病気が再発したり、その後亡くなったりということがほとんどない印象を受けるのです。
そして、医師の診療をサポートしてきたときのことを思い出すと、長生きする患者とそうではない患者の分岐点は、どんな医師が担当医になるかということでも言えそうです。
これは医療技術の良しあしではなく、医師の問診能力の問題です。
問診能力のある医師に当たるかどうかは、長生きの分岐点。
たとえば腹痛を訴える患者が来院し、胃カメラや超音波などで検査をしたが、原因がわからない。そのとき問診能力の足りない医師はこう言いがちです。
「特に異常はありませんので、しばらく様子を見ましょう。それでも腹痛が治らない場合は、またお越しください」
体よく追い返された結果、検査で発見されなかった病気が進行してしまうケースを意外と見聞きするものです。
私が勤務していたクリニックでは、さすがにそういったことが原因で亡くなる患者さんはいませんでしたが、こうした医師が実際に存在し、私たちの間でも噂になっている以上、患者が最悪の事態に見舞われていた可能性は否定できません。たまたま運が良かっただけにすぎないのです。
しかし、これが問診能力の備わった医師ならば話は別。症状についてさらに細かく尋ね、腹痛の原因となりうるものを徹底的に探り、最終的に原因を突き止めてくれるのです。
したがって、体の不調を訴える患者に対して「何も異常はないですね」とあっさり言う医師には要注意。そういう場合は担当医を代えてもらうか、別の病院で診察を受け直したほうが無難でしょう。