病院でしぶとく生きる人、すぐ死ぬ人

今年44歳になる私は、関東にある総合病院で看護主任として勤務しています。

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看護師の仕事をひと言で言えば、医師のサポートと患者のケアとなりますが、実際の業務内容は多岐にわたります。

外来での診療の際は問診や各種検査、点滴、注射を行い、入院病棟では食事に排泄、入浴の補助など、たくさんの雑務が。さらに患者の病状をきちんと把握し、医師に伝えることも重要な役目です。つまり、看護師は医師と比べて患者との接触頻度がダントツで多いのです。

そんな仕事を長年やっていると、患者の生死に関して、だんだん見えてくるものがあります。もちろん私は医師ではないので、医学の高度な専門知識は持ち合わせていません。

ですが、ベテラン看護師の経験則として、長生きする患者とそうでない患者の違いというものが自分の中である程度、わかるようになったのです。

現在、私は外科病棟で勤務しています。ここにはすでに手術を終えた進行性のがん患者が大勢入院しており、残念ながら多くの方が1年ほどで亡くなる一方、同程度の進行がんを患っても、長期間にわたって生き続けている方も少なくありません。