この違いは何か。当然、患者の個体差や医師の技量などに左右される部分は大きいはずです。しかし、そういった視点からあえて外れて、患者のキャラクターに注目したとき、社交性のある人が長生きする傾向にあると私は感じています。

わかりやすいケースを紹介します。

以前、50代の男性患者がステージ4の胃がんと診断され、手術を受けたことがありました。一般的に、胃がんにおけるステージ4の5年生存率は9%前後と言われています。つまり、割合的には10人のうち9人は5年以内に亡くなってしまう、とても難しい状況です。

しかし、その男性は、胃がんと診断されてから5年経った時点でも、元気な姿で定期的に検診に来院していました。

社交性のある人は、長生きをする傾向にあると、感じています。

看護師の立場から見て、彼がほかのがん患者と明らかに違っていた点は、病室に訪れる見舞客の多さです。

私が知る限り、日に4~5人。それが退院するまでほぼ毎日のように続いたのですから驚かざるをえません。普通の患者なら、見舞客が訪れる頻度は数日に1度がせいぜい。それも多くて3人くらいのものです。

なぜそんなに見舞客が多いのか、1度本人に聞いたことがあります。すると、こんな答えが。

「草野球のメンバーとか、釣り仲間とか、あと行きつけの飲み屋とか。あっ、俳句サークルの仲間もいた。みんなそういう感じで知り合ったんですよ」

50代でそこまで広い交友関係を持っているのも立派ですが、私が本当に感心したのは、その友人たちがそれぞれ2回以上お見舞いに来ていたことです。彼の場合、単に友人の数が多いというだけでなく、それぞれとの付き合いが深いということなのでしょう。

「友人の多い人は、そうでない人よりも生命力が強い」

いつだったか、そんな説が紹介されている医療系雑誌の記事を目にした記憶があるのですが、そのとき、この50代の男性患者のことが真っ先に頭に浮かび、なるほどなあと妙に納得したものです。

好きなものを食べるほうが、気力が湧き、よほど体にいい気がします。

また、個人的に「長生きしているな」と感じた患者の特徴を列挙してみます。

まず、大病を患ったあとでも、極端な食事制限に取りかからない人は元気を維持する傾向があるようです。たとえば、がんになった人が急に健康を意識し、野菜中心かつ小食のいかにも健康的な食生活にシフトしたなんて話をよく耳にします。