結論や主張に至るプロセスを明確化して考える

聞き手や読み手に対して、説得する理由を飛ばして結論や主張だけを伝えようとしても、説得できません。たとえば、社長が「わが社には組織改革が必要だ」と言っても、社員たちには、組織改革が必要な理由が伝わらないでしょう。なぜ組織改革が重要だという結論になったのか、その理由を説明しなければ、社員を説得できません。

説得理由などの途中の説明が飛躍すると、話が伝わらなくなります。飛躍が多いと相手に論理的に伝わらないのです。「なぜならば」という理由をきちんと補足して、第三者が納得する説明でなければ、論理的とはいえません。

論理的という言葉には、「結論や主張に至るプロセスが明確」という意味もあります。問題提起から結論や主張に至るまでのプロセス(手順)が、第三者につながったものとして理解されてはじめて、論理的といえます。

論理思考の三大要素は「主張」「論拠」「データ」

論理の三大要素を表したものに三角ロジックがあります。三角ロジックとは、「主張」「論拠」「データ」の3つが、矛盾なく整合性を保っていることです。「主張」を頂点として、「論拠」「データ」が底辺を支える三角形を形成するイメージから、三角ロジックと呼ばれています。

主張とは、「話の結論、提案や意見、推論」のことです。論拠とは、主張を説得するための「原理・原則、法則性、一般的な傾向、常識などの理由付け」です。データとは、主張を裏付ける「客観的な統計などの数値や事実、具体例など」です。

現状説明が多く、「要するに何を言いたいのか?」がわかりにくい場合、主張が明確でないことが多いのです。また、主張が明確でも納得できない話には、論拠やデータがあいまいで、主張の説得材料になっていない場合が多くあります。

主張を支える論拠とデータに信憑性がない、またはチグハグな場合、第三者を説得することはできません。