水平思考で広くとらえ、垂直思考で深く深く考える

陥りやすい垂直思考の枠組みを広げるために、先に意識して水平思考をしましょう。ところが、水平思考をしてから垂直思考をしても、時間が経つと周囲が見えなくなってきます。そこで、ある程度垂直思考をしたら、もう一度周囲を見渡して水平思考をしましょう。

垂直思考で進めてきた今までのやり方を、一度ゼロにリセットしてみるのもいいでしょう。頭の中のバイアス(偏り)を一度捨てて、まっさらな気持ちで冷静になって、360度周囲を見渡して水平思考をするのです。もっといいアイデアが浮かぶかもしれません。

西村克己『論理思考大全』(PHPエディターズ・グループ)

よくある悩みとして、メーカーの研究所の多くで、研究テーマが商品化につながらないというものがあります。商品にどのように適用するのかを考えないで開発テーマを決めるからです。テーマ設定の段階で、水平思考で商品企画部門や販売部門と広く連携して視野を広げることが求められています。

ビジネスシーンで絶えず生まれてくる問題に絶対的な答えはありません。そして、その答えの見えない問題を解決するためには、知識だけでも、ひたすら考え続けるだけでも足りません。

問題の奥に潜む「根本原因」をつかみ、限られた時間のなかで最大の効果をあげる解決策を優先的に選びとること。そして、それをシンプルに伝え、人を動かすこと。

これらの複雑で答えのない問題を解決していくための道具が「論理思考」なのです。

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