愛子内親王について海外でどのように報じられているのか。皇室史に詳しい島田裕巳さんは「たとえば『ABC News』では、『日本で愛されている愛子内親王は、しばしばポップスターのように歓声を浴びている』と報じられ、日本の皇位継承がいかに危機的であるかが解説されている」という――。

愛子内親王の「推し」のポニー

年末も押し迫ってきたが、来年の干支は午である。午は「うま」と読まれ、動物として馬が充てられてきた。

午年にはやはり馬に注目が集まるだろうが、来年、特に注目を集めそうな馬が出現した。それが、東京・世田谷馬事公苑の「テンリュウ」というポニーである。なにしろこの馬は、愛子内親王の「推し」だからである。

ポニーというのは品種名ではなく、高さの低い馬のことである。イギリスでは1.48メートル以下のものをポニーという。

愛子内親王は、今年の9月23日の「愛馬の日」に馬事公苑を訪れている。その日、メインアリーナにはさまざまな馬が登場し、技を披露した。そこに一頭のポニーが含まれていた。そのポニーは白と黒のブチで、お辞儀をするのはもちろん、腹を見せて寝ころんだり、後ろ足をけり上げたりして、観客を喜ばせた。

一緒に訪れた私の妻が、このポニーが気に入り、馬事公苑の職員に名前を聞いたのだが、その職員は知らなかった。そこで、名前がわかる職員にわざわざ聞きに行ってくれたので、テンリュウという名であることが判明した。その時点では、馬事公苑内でもテンリュウの認知度は低かったのである。

ラオス公式訪問報告のため、昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵の参拝を終えられた天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2025年12月3日、東京都八王子市の武蔵陵墓地[代表撮影]
写真=時事通信フォト
ラオス公式訪問報告のため、昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵の参拝を終えられた天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2025年12月3日、東京都八王子市の武蔵陵墓地[代表撮影]

午年の注目馬になるだろうテンリュウ

それから2カ月が経った11月の下旬、同じ馬事公苑では「第17回JRAジャパンブリーディングホースショー」というイベントが開かれた。馬事公苑まで家から歩いて15分ほどなので、また私たちは出掛けていった。それは、内国産乗用馬や競走馬を引退した馬たちによる障害馬術競技会である。

その際に今度は、「引退競走馬によるデモンストレーション」が、インドアアリーナのほうで開かれた。そこには引退競走馬ではないものの、テンリュウも登場した。そこで、愛子内親王が「愛馬の日」にテンリュウに注目した話が披露されたのである。

「愛子さまの推し」になったことで、テンリュウの存在はにわかにクローズアップされた気配である。白と黒のブチというのもパンダ柄も、注目される要因になるだろう。今後、イベントに登場する際には、愛子内親王の推しであることが必ず紹介され、その認知度は着実に高まっていくであろう。愛子内親王人気がテンリュウを来年注目の馬に仕立て上げていくはずなのである。