いつまでも夢を持ち続けるにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「夢や希望を語り合える親しい人を持つことだ。こういう仲間を見つけるには、ちょっとしたコツがある」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜあの人はいつも上機嫌なのか』(扶桑社文庫)の一部を再編集したものです。

チーム全員でハイタッチ
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大学3年生の長男「医学部を受けたい」

50歳を過ぎたビジネスパーソンの話です。

そろそろ会社での先行きも見え、あとは定年までそつなく勤め上げればいいかと思っていました。守りの態勢に入っていたのです。

ところが大学3年生の長男が、突然、「受験したい」といい出しました。

「オレ、やっぱり医者になりたいから、いまの大学辞めて勉強して医学部を受けたい」

これを聞いたときは、驚いたそうです。大学3年だから就職活動も始めて、就職もまあなんとかなるだろう、あと2年の頑張りで仕送りからも解放されると思っていたのに、また一からやり直しです。

しかも医学部ともなれば学費も高いし、卒業まで6年かかります。

「うーん、予備校に通ってもいまから勉強じゃ来年の合格はむずかしいだろう。となればもう1年、予備校か。それで合格できたとしてもそれから6年か」

人の夢が自分の夢をふくらませる

いったい自分はいくつになるのかと考えて、愕然がくぜんとしました。

「60歳じゃないか」

定年までは高望みせず、無事に過ごせればいいと考えていたのです。かりにリストラが始まって早期退職を募るようなことがあっても、自分から動くつもりなんかありませんでした。

けれども長男の夢を聞いているうちに、このビジネスパーソンは猛然と意欲が高まってきたそうです。

「よし、オレもあと8年間、やり残しの悔いなんか残さないように強気で仕事をしてみるか」

40代のころから実現させたかったプランがありました。50歳になったときにも新しい事業展開を提案してきました。どちらも仕事の夢だったはずです。

それを残り8年の間に、なんとしても実現させてみようという気持ちになったのです。

「おまえなりに考えたんだろうから、医学部に挑戦してみろ。オレもオレで、やりたいことがあるから」長男に対して、胸を張ってそう宣言できたといいます。