いつも上機嫌な人と不機嫌な人の違いは何か。医師の和田秀樹さんは「感情コンディションを崩しやすい人には、仕事や生活のリズムが乱れやすいという共通点がある」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜあの人はいつも上機嫌なのか』(扶桑社文庫)の一部を再編集したものです。

右手でカレンダーに書き込み、左手はラップトップの上には置いている男性
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あなたが落ち込むのはどんなとき?

感情コンディションが崩れるのには、人それぞれ、日常生活のクセのような、傾向のようなものがあります。それを、ここでは4つのパターンで考えてみましょう。

まず、悩み事や心配事があるときです。

「ああなったらどうしよう」「こうなったらまずいなあ」と考えると、気持ちが落ち着かず、不安で仕事や勉強が手につきません。やらなければいけないことがズルズルと後回しになって、それが気持ちをさらに重くさせます(パターン①)。

その逆パターンもあります。

なんとなく意欲や集中力が湧いてこなくて、何をやっても中途半端。人と会うのも出かけるのも億劫。いわゆる、テンションの下がった状態ですが、それが自信のなさや「こんなんで大丈夫かな」という不安を生み出してしまうケースです(パターン②)。

パターンを知るだけで不機嫌は半分消える

それからものごとが思い通りにいかなかったり、期待していた結果が出なかったりといった失望感も、感情を悪化させます。これはまじめな人や完全欲の強い人に起こりがちなことです(パターン③)。

体調不良、寝不足、疲労も要注意です。お腹が空いただけでイライラするくらいですから、気がつかないうちに疲労が溜まっていて、つい他人に当たり散らしてしまうのはよくあることです(パターン④)。

ほかにもいろいろあるでしょう。じつに感情はもろい、というのがわかります。すべてに万全で、感情コンディションも上々という日々のほうがむしろ珍しいのです。

ただ、人によってそれぞれ、感情コンディションが崩れるパターンがあります。たいていの場合、どれかひとつが原因になって感情が悪化し、それがさらにほかの原因を誘発するというケースです。

だとすれば、まず自分のパターンを知っておきましょう。

そこを注意するだけで、あなたの不機嫌は半分以上消えてしまいます。そこに気がつかない人、気がついても改めることができない人が、いつも同じパターンで感情を悪化させてしまうのです。